2014-01-01から1年間の記事一覧

「美味礼賛」 ブリア・サヴァラン

本書は、フランス美味学の古典で、いわゆるグルメという価値観の始まりの書である。本書が書かれた1825年、パリでレストランというスタイルの飲食店が生まれた。貴族の邸宅でのみ食べられた「ご馳走」が、フランス革命を機にレストランという仕組みを通じて…

「フローラ逍遥」 澁澤龍彦 

澁澤龍彦が、昭和59年7月から2年に渡って、雑誌「太陽」に連載した「花」に関する文章を1冊にまとめたもの。八坂安守さん蒐集による貴重な植物図版も見どころ。巻末には、八坂さんによる図版解説がある。装丁も含め、非常に美しい1冊。

「白夜の旅から」 森麗子 

本書は、刺繍作家の森麗子さんが北欧の国、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドを訪れ、その時見た風景をファブリック・ピクチャー(糸と布の絵)に紡いだものです。ファブリック・ピクチャーとは、刺繍や織りを自由に組み合わせる糸と布の…

「父の有り難う」 長谷川まみ 文 / 小泉 佳春 写真

茶道具金工家である長谷川竹次郎が、ふたりの子供の誕生日に贈った愛情ある鍛金作品の数々を写真に写し1冊にまとめたもの。当時の思い出を添えて。 4歳の息子に贈ったウルトラマンのお皿とフォーク、大喜びで、それから食事はいつもその皿になった。3歳の娘…

「食育菜園」 センター・フォー・エコリテラシー

本書は、学校改革を目的に始まった「エディブル・スクールヤード」の活動に献身的な力を注いだ人々の挑戦の物語です(1994年〜1999年)。カリフォルニア州バークレーにある荒れた公立中学校、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア中学校。そこは、白人の…

「フランス料理を私と」 伊丹十三   

本書は、伊丹十三が辻調理師学校の先生にフランス料理を習い、その過程を事細かくレポートするものである。料理の過程を会話形式で伝え、カラー写真をふんだんに使う贅沢な作りの本なのです。そして、メニュー毎に異なるゲストを迎え、出来た料理を食しなが…

「宇宙船とカヌー」 ケネス・ブラウワー

父は、「スペース・コロニー計画」に参加した世界的物理学者「フリーマン・ダイソン」、息子「ジョージ・ダイソン」は、16歳で学校教育をドロップアウト、カナダ沿岸の小屋で一人暮らし、カヤック製作に没頭する。父の夢は、宇宙を駆ける巨大な宇宙船を造る…

「ナチュラルガーデンブック」 ピーター・ハーパー

本書は、ガーデン設計と包括的有機思想を結びつけながら、健康的なガーデンを目指す人に実践的なアドバイスをするものです。内容は、大きく4つのパートに分かれています。 パートIでは、生物、生態系、歴史など、ガーデンづくりの背景を述べ、最後にナチュラ…

「自然界の秘められたデザイン」 イアン・スチュアート

物心ついたときから自然のなかの形や模様に惹かれてきた著者が解き明かす、「自然界のデザインの原理とパターン」。著者のイアン・スチュアートは、イギリス・ウォーリック大学の数学教授であり、サイエンスライターでもある。砂丘、波、動物や貝殻の模様、…