「宇宙船とカヌー」 ケネス・ブラウワー

父は、「スペース・コロニー計画」に参加した世界的物理学者「フリーマン・ダイソン」、息子「ジョージ・ダイソン」は、16歳で学校教育をドロップアウト、カナダ沿岸の小屋で一人暮らし、カヤック製作に没頭する。父の夢は、宇宙を駆ける巨大な宇宙船を造ること。息子の夢は、アリューシャンが使用していたカヤック「バイダルカ」を造ること。相合うことのない二人の生き方を、淡々と重ね合わせ「親子のそれぞれの夢」を描いた傑作。
父は、息子をこう評する。「私は宇宙の真理を数式で考え理解しようとするのだが、彼はまるで音楽家が作曲する様なやり方でカヤックを作ってしまうんだ」。