「自給自足の本」 ジョン・シーモア 著 宇土巻子 藤門 弘 訳

この本、初版が1983年だから、静かなロングセラーと言える。
藤門弘が、「アリスファーム」を岐阜県有巣の里で立ち上げたのが、1974年。そして、北海道に移ったのが、1983年。その時に、この本が出版された。まさに自然生活を実践している藤門夫婦が訳したので、本書の内容を的確に忠実に伝えることに成功したのだと思う。
内容を簡単に言うと、自給自足に関するノウハウが書かれた本である。書かれている範囲が広範囲で、農業、林業、畜産業。作業工程がわかりやすいイラストで説明されている。見聞きしたものではなく、実体験に基づき試行錯誤した結果である。現代は、言うまでもなく各分野が専業化されており、農業でもこの作物は詳しいという人はいるだろうが、こんなに広範囲に渡り知識と経験のある人は、どのくらいいるだろうか?読み物としては、大変面白いが、実際行動に移すには、やはり本を読んだだけでは無理だろう。しかし、行動を起こす、きっかけになれば良いと思うのである。