「イグルー」をつくる  ウーリ・ ステルツァー

イヌイットが狩猟での移動生活の際使う住居、「イグルー」を作る過程を追った写真絵本。雪に閉ざされた地域で生活するイヌイット達の、暮らしの知恵から生み出された住居形態が、イグルーである。日本の雪国の雪洞「かまくら」をイメージするといいかもしれない。
のこぎりで丁寧にブロック状に雪を切り出していき、それを積み重ねていく。その積み方が平行ではなく、スパイラル状に積んでいくのだ。その工法には、長年の知恵が詰まっている。
この本は、最初の切りだしから完成までを、モノクロ写真で忠実に伝えるものだが、実に面白い。シンプルで美しいアートブックである。