「ヴァージニア・リー・バートン-「ちいさいおうち」の作者の素顔」 バーバラ・エルマン

これは、ヴァージニア・リー・バートンの伝記です。「ちいさいおうち」という普遍的な名作絵本を描いた作者の人生、その家庭環境、背景には何があったのか、とても興味深い内容です。破天荒な母親が「反面教師」だったことは大きい。ヴァージニアが16歳の時、母リーナは、24歳年下の男と同棲し家を出て行ったのだ。思春期に襲った衝撃を和らげるため、ヴァージニアは、エネルギーを美術に集中させる。そして、カリフォルニア美術学校の奨学金獲得。そこでの勉強がのちの彼女の基礎を作った。
このノンフィクションは、ヴァージニアの学生時代の生活から、その後生み出した作品の創作過程まで丁寧に記録してあり、また豊富に写真、イラストを載せ読みやすい形に仕上げている。最後の作品が、「せいめいのれきし」であったことは必然的なことだったのだ。