「シンプルという贈りもの」ビル・コールマン 著 青山 南 訳

とてもとても美しい写真集。アーミシュの人々の生活を写したもので、1頭立ての馬車、シンプルで美しい調度品、農作業風景、戯れる子供たち等が収められている。それらは、まるで映画のワンシーンを切り取ったかのようだ。著者は、もう25年以上も彼らを撮り続けているという。長いつきあいがあったからこそ撮れたのであろう。これ、狙って撮れるもんじゃないな、と思うショットがいくつもある。
アーミシュの人々の存在を僕が知ったのは、映画「刑事ジョン・ブック」である。映画そのものも、素晴らしい出来であったが、中に登場してきた彼らの生活を興味深く見た。現代文明と離れた暮らし、電気を使わない生活、もちろん自動車も乗らない。頑なに守る信条に根ざしたライフスタイル。現代アメリカでそのような生活を送る彼らは、僕から見れば驚異であり、憧れだ。この写真集、田園風景が美しい、夏も冬もそれぞれ表情豊かに写っている。そして、子供たちの笑顔がとても良い。