「キュウリの旅」 島袋道浩 作 野口里佳/エミリー・ワトキンス 絵と写真の協力

たまには、こんな素敵な旅をしてみたいものだ。
ロンドンからバーミンガムまで、電車でわずか2時間の距離を、運河をナロウボートで行くスローな旅、2週間もかけてさ。目的は、キュウリをビンの中で酢漬にし、ピクルスを作ること。旅の途中で出会う川岸の鳥や草原のロバ、羊、電車の好きな犬、のどかな風景が続き、暗くて長いトンネルを超え、ゆっくり進む。そして、ビンの中でピクルスは出来上がりつつある。
イギリスの運河は、基本的に地図の等高線に沿って作られている、その結果、高低差が激しい場所では、水位調整のため「ロック」という場所が必要になる。上流からロックを下る場合、2つの水門で区切られたロック内の水位を上流と同じにし、上流側の水門を開けてから船をロックの中に入れ、水門を閉める。ロック内の水位を下流側と同じにしたら下流側の水門を開け、船を出すことになる。手間のかかる旅なのだ。
バーミンガムに到着したら、仲間と共にピクルスを食す。そして、素敵なアートブックが出来上がった。この夏、こんなのんびりした旅は如何でしょう。