「凍れる河」オリヴィエ・フェルミ

インドの最北部ザンスカール、標高3500m。簡単に行ける場所ではない。1年のうち雪で8ヶ月以上も外界から閉ざされている。しかし、真冬になると外界に通じる道が出来る、河が凍るのだ、人々はその上を歩く。
著者は、その地を訪れ知り合った若い農民夫婦と親交を深める。ザンスカールには学校というものがないので、子供達は学問を習うことができない。農民夫婦は、世界を知るために子供たちを学校にやりたいという。著者は、授業料、生活費の面倒を見ることを約束する。こうして、著者と子供達の「凍れる河」を歩く旅が始まった。本書に、その時の写真の数々が収められている。断崖絶壁の壁際、氷柱をバックに黙々と歩く彼ら。僕らから見れば、大冒険だ。この本を読むと、著者が、その地に惹かれる理由がなんとなくわかる。